伊勢崎銘仙アーカイブス

TOP  topページへもどる


 銘仙産地比較 足利銘仙

   *伊勢崎産地にバイアス(偏り)が在りますのでご了承下さい


 

 足利は全国に知られる




 1、室町時代を別称で「足利時代」足利氏発
   の地と言われる
 2、日本最古の総合大学「足利学校」が平安・
   鎌倉時代に創設された
 3、栗田美術館、足利市立美術館等美術館が多
   く12ヵ所ある








 4、「相田みつを」が生きたまちである
 5、あしかがフラワーパーク、鑁阿寺、
   ココファームワイナリー等観光施設が多い
 6、森高千里が唄う「渡良瀬橋」は有名
 7、足利商工会議所がモデル商工会議所で
   足利商工会議所では市民から譲り受けた
   足利銘仙が500着保管され意匠のデー
   タベース化は図った

   以上が私の知る「足利」である










 半併用絣銘仙


 経糸は解し技法(仮織した型紙捺染)で
柄がつくられ、緯糸は経糸に染められた柄の
ポイントに合わせた簡易括り絣で織り込んだ
銘仙を半併用絣銘仙という。
 昭和9年頃足利の茂木冨二が考案し主な
産地となった。
 半併用技法には緯糸を入れた部分が浮き上
がる独特の効果があり、生産も比較的容易な
ことから数多く生産された



 (武藤和夫 織塾銘仙コレクションの解説文より)



 伊勢崎 VS 足利 もうひとつの銘仙戦争


銘仙戦争


 国会議員の秘書をされていた川嶋伸行氏が収集した
 伊勢崎と足利の銘仙の絵葉書から
 伊勢崎 VS 足利 銘仙産地の競争を中心にまとめた小雑誌
 A5判 17ページ 無料 平成20年1月発行
 ポスターや絵葉書による創造的な販売戦略で
 「革新的な取り組みを行い、伊勢崎方式として他産地に大き
 な影響を与えた」と伊勢崎産地を絶賛







 全国銘仙産地生産統計(単位:千疋 疋=2反 全国銘仙連盟会調査) 

西 暦   和 暦 伊勢崎  足 利
1912 大正  1  636  74 
1913  572  142 
1914  534  112 
1915  450  510 
1916  542  536 
1917  627  355 
1918  819  404 
1919  990  510 
1920  1,039  351 
1921  10  1,568  1,046 
1922  11  1,559  699 
1923  12  1,567  674 
1924  13  1,581  421 
1925  14  1,490  292 
1926  昭和 1  1,558  304 
1927  1,814  557 
1928  2,059  952 
1929  1,950  1,193 
1930  2,283  1,633 
1931  2,072  1,753 
1932  1,926  1,797 
1933  1,511  1,725 
1934  1,396  1,711 
1935  10  1,019  1,357 
1936  11  281  368 
1937  12  60  14 
  合 計  31,916  19,501 

           (注)昭和12年の数値は上半期の生産数量(疋)


 東京朝日新聞群馬版 大正14年(1925)1月10日より

  桐生
足利の賃織を如何見る 伊勢崎織物界の大問題
  賃織は永久的産業の基礎でない 此際大方針を樹立せよ
  *足利産地でも桐生産地と同じく伊勢崎産地の賃織(いせちん)で凌いだ


           伊勢崎と足利の産地 取り組み年を比較
   伊勢崎産地  足利産地
 組合設立の前身  明治13年
伊勢崎太織会社設立
 明治15年
足利工商会設立
 染色学校  明治19年
染色学校設立
(現 県立伊勢崎工業高校)
 明治18年
足利染色講習所設立
(現 県立足利工業高校)
 伝統的工芸品指定  昭和50年「伊勢崎絣」指定  昭和52年「桐生織」指定
足利市が生産される地域に
含まれている






  足利銘仙(織物)お薦めの一冊

  「京都、リオン、そして足利」
  ー 近代絹織物と近藤徳太郎 ー
   日下部高明著 発行所 隋想舎

 今から120年前、栃木県工業学校が創設
初代校長に近藤徳太郎が就任した
 近藤徳太郎(1856~1920)は近代絹織物に
グローバルに取り組んだ
 本書の最後は銘仙に使用した絹紡糸と
足利本銘仙で括っている









 参考文献 足利織物史 別巻