伊勢崎銘仙アーカイブス

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 伊勢崎絣伝統工芸士

 機巻(はたまき) 機巻き屋 織る準備をする

  伊勢崎絣伝統工芸士74名中は機巻部門14名で全員男性である
  伊勢崎絣(伊勢崎銘仙)は低価格な反物で10万円以下もある
  結城紬のように一反を数ヶ月を費やして織り上げ百万円以上の高額もあるが
  伊勢崎絣(伊勢崎銘仙)は伝統工芸士のようなベテランの織子は一日一反、
  一ヶ月10疋(20反)をアガリキリ(朝から晩まで)で織り上げる
  一日一反の製織を可能にするのが前工程の機巻にある
  品質管理の標語に「次工程はお客様」がある 機巻き屋とってまさに織子はお客様
  で機巻により織子は熟練の技術を一部を除き簡略化されたと言える

 

  伊勢崎銘仙研究家の故 武藤和夫氏が
  「私の最も好きな銘仙は手括りの大絣」
  と言われていた

  伝統工芸品伊勢崎絣「括り絣」が書籍等に
  写真が載り説明されている
  絵になり 且つ分かり易い

  摺込捺染(すりこみなっせん)と括り(縛り)
              (写真 上)
  機織り(製織)     (写真 下)







A 縛り(しばり 括りと同じ)
 摺り込み捺染後に、糸・紙・ビニール等で
 縛り防染し
B 紺屋で地糸と共に染色
C 縛りを解(ほど)いて広げると
 横段文様(よこだんもんよう)
 幅のある横の段になった模様の総称
 膝の辺りだけに「横段文様」をつけたものを、
 「熨斗目(のしめ)」と言う



 横段文様(上記写真左)を杢引器で一定の
 割合で絣ずらしを行うと
  右 市松文様
  左 矢羽文様
 の縦糸が出来る
 *締切絣 経糸は絣糸、緯糸は無地
  地糸は使用せず






 杢引器(機)(もくひきき、もくびきき)

 穴及び針を有する台に鉄の棒をはめ、この間に
 経糸を通し絣の位置を定め適当なる柄行を作り
 機巻台にて経巻を行う








 杢引きの動作(スケルトン)




















  経巻(たてまき)
  機屋が 柄紙(がらがみ)に、絣糸(かすりいと)と地糸(じいと)を組ませて
  機巻き屋に納入する



 1、糊付け 糊張り
  染色がすむと洗ってのり付けされ
 2、乾燥
  日当たりのよい屋外でよくかわかす
 次に、巻屋で緒巻に巻きとります。これは、経糸を柄紙(意匠図)の通りに組み込む工程
 ですが、巻きくずれを防ぐために、機紙(ボール紙)を間にはさみ込む

 機巻道具、設備等  別の言い方  説   明
 筬(おさ)    織機の付属具 経糸(たていと)の位置を整え
緯糸(よこいと)を打ち込むのに用いる
竹の薄い小片を櫛(くし)の歯のように列ねて
長方形の枠に入れた(竹筬)
 筬通し(おさとおし)  サンゴ、綜絖通し  引込みの筬通し 経糸を筬目(筬羽の間)に
に引き通す具 薄い真鍮製で機道具店で販売
伊勢崎産地では引き取るタイプを使用
長さは約16cm
     
 緒巻、尾巻、
男巻(おまき)
 経巻(たてまき)
千切(ちぎり)
経糸を巻く木製の棒、長さ3尺(110cm)
四角の一辺1寸(3~4cm)
     
 ギリ(ぎり)    機巻(経巻)の糸を柄の山数に応じ絣を押さえて
絣を等分する際に使用する用具2山から16山の
ギリがある
 グ引き(ぐびき)    「杢引き」を使い、一完全模様を半分ずらして
織物の二倍の絣模様を作ること
 ズリバコ(ずりばこ)    
 通し板(とおしいた)  つうしいた  機通しに使用
 通し台(とおしだい)  つうしだい  機通しに使用
 機梳し(はたとかし)  櫛(くし)  巻きながら糸を開かせるための用具
ツゲのくし
 機巻場(はたまきば)  巻き場(まきば)  機巻きをする作業場、例 家の廊下等で10間
のぐらい長さが必要
 巻き紙(まきがみ)  機紙(はたがみ)
機草(はたぐさ)
整経した経糸を緒巻に巻き付ける際に、巻き崩れ
絣の柄崩れを防ぐために挟むボール紙
3尺(114cm) × 1尺2寸(45cm)位
のボール紙を1疋に15~20枚使用する 
 巻き台(まきだい)    
 ミチ(みち)  道?  ズリバコの通るところをミチと言う
 杢引き(もくひき)    機巻の用具、杢は木材の木目の意味で「杢引き」
を用いて経糸で文様を作る


 緒巻に巻き込まれた経糸は、綜絖(そうこう)や筬(おさ)に通されます。これを引っ込みと いいます。
 綜絖には、中央部にメールという糸を通す穴があり、これに1本ずつたて糸を抜き針を使って 通します。綜絖は、たて糸を上下に分け、口の開いたところによこ糸を通す役目をします。
 次に、たて糸を筬に通します。くしの歯のようなものを筬歯といい、これを傷つけないように、さんごという道具をすき間に入れ、2本のたて糸を、このさんごに引っかけて筬に通します。
 引っ込みのときに特に注意することは、糸を綜絖に引き込む(通す)順をまちがえないことと、糸を筬に通すとき、筬の目があかない(通っていないところがない)ようにすることです。

 緒巻(おまき)男巻とも言う
   織機の部品 経糸を図案通りに柄組みし幅を整え1疋又は2疋掛けが多い
   1疋は2反、1反は成人1人前の織物の量 幅9寸8分(約37cm)
   長さ3丈(約12m) 鯨尺(1尺≒38cm)

 柄紙(がらがみ)意匠図とも言う
   
柄紋様、配色、寸法、糸割り等の織物設計
   幅は9寸6分(36cm)長さ1尺3寸6分(52cm)の用紙

 千巻(ちまき)布巻(ぬのまき)、巻棒(まきぼう)、女巻(めまき)とも言う
   織機の部品 製織した織物を順次巻き取る木製



  よこ糸は、用意されたかせをひろみきにかけ、手動管巻機で数本の竹管に巻とり、
 それを杼(ひ)の中に取り付けます。




 参考・引用図書等
  伊勢崎織物同業組合史 昭和6年 伊勢崎織物同業組合発行
  伊勢崎史話 昭和33年~  機業のおぼえ書(1)~(15) 森川健一郎
  三和町の民俗 昭和56年 昭和56年 伊勢崎市発行  諸職㈠機巻職人
  伊勢崎市史研究 第4号 昭和61年 伊勢崎市発行  伊勢崎地方における織物語彙
  伊勢崎の職人 昭和62年 伊勢崎市発行   付録1 織物用語 矢島三郎
  伊勢崎織物資料目録2000 平成12年 伊勢崎市発行