伊勢崎銘仙アーカイブス

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 皇室と伊勢崎


 用語解説
  行幸(ぎょうこう)    天皇が外出されること。
  行幸啓(ぎょうこうけい) 天皇・皇后がご一緒に外出されること。
  行啓(ぎょうけい)    皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃が外出されること。
  現在の天皇は 今上(きんじょう こんじょう)天皇
  陛下 天皇および皇后・太皇太后・皇太后の尊称
  殿下 その他の皇族の敬称



  宮中養蚕 生糸の輸出が江戸時代後期から日本経済を支え、皇后による養蚕奨励
       「範を国民に垂れさせ給う」を目的とした。
       他説としては中国の皇帝・皇后の儀礼からの伝承説がある
  御親蚕(ごしんさい) 皇后陛下御自ら蚕を飼育なされること。
    昭憲皇太后、英照皇太后、貞明皇后、香淳皇后、そして現在の皇后さまへ
       と引き継がれている。
    天皇陛下のお稲作とともに皇后さまの御親蚕は我が国の農耕文化の象徴と
    して皇室行事となり現在に至る。
  小石丸(こいしまる) 皇后御親蚕に用いる蚕の品種の一つで純粋の日本白繭種、
    現在の皇后さまが育てた小石丸を使った正倉院の絹織物復元計画
       (平成6年から平成13年)が実施された。
  宮中に於ける製糸・製織
       宮中養蚕により収穫された繭は製糸が行われた。昭和5年には群馬県勢多郡
    より11名の繰糸工婦が宮中に招かれた。
       現在、御養蚕所で収穫された繭は絹織物となり、外国訪問のときの贈答品や
     宮廷祭事などにも使われる。


 御養蚕復興後の皇室系譜



天 皇  皇 后 
 孝明天皇  英照皇太后(えいしょうこうたいごう)
 明治天皇  昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)
 大正天皇  貞明皇后(ていめいこうごう)
 昭和天皇  香淳皇后(こうじゅんこうごう)
 今上天皇  皇后陛下




  
 明治天皇の皇后 昭憲皇太后
   嘉永3年(1850)~大正3年(1914)

   明治4年昭憲皇太后が「民のなりわいとお国の為め」と思い召し、生糸や蚕種の生産
  を奨励するために宮中養蚕を始められた
   当時大蔵省官僚の渋沢栄一が相談役に選ばれた 渋沢栄一は現在の深谷市出身 実家は
  養蚕農家で渋沢栄一は親類の田島武平を世話方に推薦した


  田島武平コレクション:「田島武平旧宅」は世界遺産「田島弥平旧宅」の本家で南隣り
             に在る屋号を桑麻館(そうまかん)と称し公開している






  田島武平の妻 しげ は
  渋沢栄一翁の従兄妹とある















明治四年  田島武平は
村内の女性4人を宮中養蚕
に当たらせる











  氏  名 年齢   出身    写 真 
 世話方  田島武平  39  島村     -
 養蚕方  荒木大七郎    榛沢郡     ー
 奉仕者  田島まつ  17  島村  田島伊三郎 娘  前列右1
  〃  田島多加  48  島村  田島太平 妻     2
  〃  栗原婦さ  20  島村  栗原茂平 娘     3
  〃  飯島その  28  深谷 飯島元十郎 妻  田島弥平 娘      4
 送迎人  田島弥九郎    島村  田島善平の用心棒  後列右2
 旅館主人  三河屋主人     ー  奉仕者宿泊先、写真館へ案内した     1








 境島村関係資料 第11号
 天朝養蚕記
 平成29年(2017)2月発行
 発行:ぐんま島村蚕種の会
 定価500円

 栗原ふさ(婦さ、房)著
 栗原茂平の長女、田島武平(6代目)の姪















明治五年 田島弥平が
宮中養蚕の世話方となり、
娘の民を含む
11名の奉仕者と
宮中吹上御所に参上する









  氏  名 年齢   出身    写 真 
世話方   田島弥平  51  島村     -
 養蚕方  栗原茂平  52  島村    前列右3
 奉仕者  田島ひさ  46  島村  田島平内 妻  後列右1
  〃  栗田よ志  20  島村  関口十平 娘     2
  〃  栗原いち  23  島村  栗原九平 娘     3
  〃  宮崎たい  16  伊与久村  宮崎伝蔵 娘     4
  〃  永井あい  18  境町  永井彦太郎 娘     5
  〃  関口ゑい  32  島村  関口小平次 娘  前列右1
  〃  田島民  23  島村  田島弥平 娘     2
  〃  田島里う  18  島村  田島太平 娘     4
  〃  宮崎ゆう  19  伊与久村  宮崎有敬 娘     5
  〃  田島比佐  18  島村  田島弥三郎 娘     6
  〃  栗原わき  不明  島村  栗原三郎平 娘   -
  〃  栗原ひさ  51  島村  栗原惣平 姉   -







  宮中養蚕日記
  田島 民著 高良留美子編
  ドメス出版 2009年発行
  定価2,500円+税 P222


 明治5年、群馬県の蚕種業者田島弥平
 の長女・民が、他の蚕婦とともに宮中
 に滞在(4月18日から6月30日)して
 養蚕をしたときの経験を記した日記









 貞明皇后行啓記念碑
 

 昭和二十三年六月五日貞明皇后には群馬県蚕糸業御視察
 として行啓遊ばされ其の第一歩を島村に印せられ田島弥
 平方に着御あらせる陛下には着御早々上簇済の原蚕飼
 育を御視察遊ばされ更に曾祖父弥平が宮中御養蚕奉仕の
 節御下賜になった品々を初め当時の御養蚕日記や記念写
 真並に当主弥平が大正十二年紅葉山御養蚕所に於て陛下
 の御親蚕を手伝い申し上げた記録等を御興味深く御覧
 遊ばれた其の他我国蚕糸業の揺籃時代を物語る数々の文
 献に刻の移るのをお忘れになられた今茲明治百年を記念
 して碑を建て以て此の盛事を不朽に伝えんと欲し其の梗
 概を識すと云爾

        昭和四十五年十一月
          第五世 田島彌平建之
                田島群次郎撰并書






 昭和23年6月、貞明皇太后陛下には
 群馬県内の蚕糸・絹業施設を御視察な
 され蚕糸・絹業を奨励された
 田島弥平宅(6月5日)、
 伊勢崎織物協同組合、
 桐生織物協同組合、群馬県蚕業試験場、
 富岡製糸場(6月6日)を御視察された
 陛下は大日本蚕糸会の総裁であられた








 昭和40年、地方産業振興のため
 伊勢崎織物会館に
 御来賓の皇太子殿下(現在の天皇陛下)
 栄誉ある御案内役は伊勢崎織物協同組合
 理事長 田村秀雄氏
 ウール着尺の製織を御見学された








 伊勢崎絣伝統工芸士 織布部門(昭和50年認定)
     高橋みき氏

 昭和58年9月、第38回国民体育大会(あかぎ国体)に
 昭和天皇陛下行幸の折り、群馬会館に於いて
 天皇陛下の御前にて栄誉ある手織実演を行う






 伊勢崎絣伝統工芸士 織布部門(昭和56年認定)
     桜井いの子氏

 昭和58年9月、第38回国民体育大会(あかぎ国体)に
 昭和天皇陛下行幸の折り、群馬会館に於いて
 天皇陛下の御前にて栄誉ある手織実演を行う



















 伊勢崎絣伝統工芸士 製織部門(昭和62年認定)
     吉田勝江氏

 平成16年11月、天皇、皇后両陛下とデンマーク女王夫妻が
 群馬県庁に於いて伝統工芸と郷土芸能をご覧された折り、
 天皇陛下の御前にて栄誉ある手織実演を行い
 天皇陛下からお声を掛けられた








 日本絹の里
 皇后陛下御歌の碑











  

       皇后陛下御歌

      この年も蚕飼(こがひ)する日の近づきて
        桑おほし立つ五月晴(さつきば)れのもと


    
    天皇皇后両陛下は 平成十年五月八日 日本一
    の繭と生糸の生産量を誇る群馬県の蚕糸振興の
    拠点である日本絹の里に行幸啓されました
    皇后陛下がお詠みになった御歌の碑は群馬県内
    の蚕糸絹業関係者及び県民有志が行幸啓を記念
    するとともに蚕糸絹業が末永く存続するよう祈
    りを込め建立したものです
    日本の絹文化が今後とも栄え伝承されることを
    願います
      平成十七年五月八日
          群馬県知事 小寺弘之


                   群馬県立日本絹の里
                   所在地:高崎市金古町888番地の1
                   設置者:群馬県(所管:農政部蚕糸園芸課)
                   開館日:平成10年4月24日




 碑の裏に伊勢崎織物協同組合が銘記されている















和 歴   西 暦  光 栄
      明治時代 
 明治 4年  1871  明治天皇皇后である 昭憲皇太后(しょうけんこうたいごう)
が宮中養蚕を始めるあたり渋沢栄一を相談役に選んだ
 渋沢栄一は親戚にあたる島村の田島武平(田島弥平の本家)
をお世話方に推薦した
 田島武平は村内の女性4名を伴い宮中養蚕にあたる
 明治 5年  1872  田島弥平が宮中養蚕の世話方となり、娘の民を含む11名
の奉仕者と宮中吹上御所に参上する
 明治5年に続き明治6年と明治12年に田島弥平が世話方を
務める
 明治 6年  1873  6月24日、昭憲皇太后は英照皇太后と伴に馬車で皇居を出発
し、富岡製糸場を視察された
 明治11年  1878  9月2日、明治天皇が北陸・東海道各地の巡幸のおり、
新町紡績所へ行幸された
       大正時代
 大正12年  1923  四代目田島弥平 紅葉山御養蚕所に於て貞明皇后(ていめいこう
ごう)の御親蚕を手伝う
       昭和時代
 昭和23年  1948  6月5日、貞明皇后、島村の田島弥平宅、伊勢崎織物協同組合を
行啓された
 昭和24年  1949  皇太子殿下が伊勢崎市を行啓
 昭和32年  1957  8月16日、高松宮殿下行啓 第1回全日本選抜軟式野球大会が
華蔵寺公園球場で開催で来伊、サンデン(株)を見学された
 昭和40年  1965  11月1日、皇太子殿下が地方産業振興のため伊勢崎織物会館を
行啓された
 昭和58年  1983  9月10日、皇太子殿下、同妃殿下 第38回国民体育大会
(あかぎ国体)にご臨席で来県、サンデン(株)を見学された
       平成時代
 平成10年  1998  5月8日、今上天皇、皇后両陛下第49回全国植樹祭に併せて
群馬県立日本絹の里を御視察
 平成16年  2004  11月18日、今上天皇、皇后両陛下とデンマーク女王夫妻が
来県され、群馬県庁において伝統工芸と郷土芸能をご覧された
伝統工芸では伊勢崎絣の伝統工芸士 吉田勝江さんが天皇陛下から
声を掛けられ、郷土芸能では伊勢崎市の「上州八木節会」代表
の加藤義雄さんが演じた
 平成23年  2011  8月23日、今上天皇、皇后両陛下が富岡製糸場を御視察




 参考引用資料

 宮中養蚕関係
    桑麻館(田島武平旧宅)展示資料 伊勢崎市境島村2244-1
    第八回企画展図録「皇居のご養蚕展」 日本絹の里 平成14年発行
    宮中ご養蚕の錦絵と島村 町田睦著 平成20年発行
    宮中養蚕日記   田島 民著 高良留美子編  ドメス出版 平成21年発行
    蚕にみる明治維新 鈴木芳行著 吉川弘文館 平成23年発行
    第三十四回企画展「皇居のご養蚕と養蚕業の歴史・未来」日本絹の里 平成27年発行

 伊勢崎織物協同組合関係
    伊勢崎織物史 伊勢崎織物協同組合編  昭和41年発行
    伊勢崎織物組合百年史 伊勢崎織物協同組合編 昭和58年発行
    行幸啓誌 群馬県 平成17年発行

 サンデンホールディングス株式会社関係
    サンデンの挑戦 世界へ未来へ 岸田鉄也著  日本工業新聞社 昭和63年発行
    海平なり 牛久保海平著 上毛新聞社 平成8年発行
    会社の「品質」 牛久保雅美著  日科技連出版社 平成24年発行