伊勢崎銘仙アーカイブス
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 国指定(経済産業大臣) 伝統工芸品 伊勢崎絣 







 伝統工芸品 OR 伝統工芸品
 国の名称には伝統工芸品と
 なぜか入る

 全国で平成29年1月26日現在指定
 されている伝統的工芸品は225点
 (品目)である

 講談社カラー版 日本語大辞典によると

伝統工芸:江戸時代以前に確立された
 技術・技法を受け継いで作られる実用品
 の芸術品 主として、天然素材を使った
 手作りで、染織・・・多種類ある

伝統的:伝統として今も生きているさま






  伝統工芸品、伝統工芸品の言葉の意味には違いは無いが、昭和49年5月25日に
 「伝統工芸品産地の振興に関する法律(略称・伝産法)」の制定に基づいての名称は
  伝統工芸品である


  国(経済産業大臣)の指定要件は
 1、主として日常生活の用に供されるものであること
 2、製造過程の主要部分が手工業的であること
 3、伝統的かつ優れた技術又は技法により製造され、相応な品格および造形を備えたもので
   あること(伝統的とは国では100年以上の継続を条件)
 4、伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料として用いられ、製造されるものである
   こと(伝統的とは国では100年以上の継続を条件)
 5、一定の地域で産地を形成していること(原則として十企業以上または三十人以上の従業員
   を意味する)








  伊勢崎絣が伝統的工芸品の要件を満たしたわけですが
 改めて検証すると

 1、主として日常生活の用に供されるものであること
   伊勢崎銘仙としてカジュアル(日常的・実用的)で
   低価格の着物として多くの女性が購入した


 2、製造過程の主要部分が手工業的であること
   伊勢崎産地は経糸・緯糸又は緯糸の柄合わせを手織り
   で行う









 伊勢崎絣統一呼称説が書かれている
 パンフレット








3、伝統的かつ優れた技術又は技法により製造
  され、相応な品格および造形を備えたもので
  あること(伝統的とは国では100年以上の
  継続を条件)

4、伝統的に使用されてきた原材料が主たる
  原材料として用いられ、製造されるものであ
  ること(伝統的とは国では100年以上の
  継続を条件)

  昭和6年発行の伊勢崎織物同業組合史に
 伊勢崎織物の起源を説明した記述がありこれを
 引用することで指定要件の3、4はクリア
 出来る






 伊勢崎では江戸期代後期の文化・文政に伊勢崎太織・伊勢崎縞が大量に製造された
 上記写真は弘化4年(1847)冥加金上納申出(元機業67名)
 昭和50年(1975)から逆算すると128年前である


 5、一定の地域で産地を形成していること(原則として十企業以上または三十人以上の従業員
   を意味する)





 伊勢崎織物工業組合が指定の申出を行う
 伊勢崎織物工業組合は昭和42年(1967)に
地域内有資格の機屋230人中222人が合意し設立
したもので群馬県・埼玉県にまたがるテリトリーで
事務所の所在地のある群馬県知事に申出を行った
 *組合員数は申出時には170人に減少していた








 指定へのプロセス

 昭和49年 5月25日 伝統的工芸品の振興に関する法律公布施行 
 昭和49年 5月  伊勢崎織物工業組合は臨時総会を開催し
伝統的工芸品指定申出を承認
 昭和49年 7月  事前調書を群馬県に提出
 昭和49年11月  申出書の提出を取り下げる
 昭和49年12月  伊勢崎織物工業組合は臨時総会を開催し
再度、伝統的工芸品指定申出を承認
 昭和50年 1月  再度、群馬県へ申出書を提出
 昭和50年 5月10日  伊勢崎絣が通商産業大臣の指定を受ける


  伊勢崎織物工業組合では構造的な需要減、販売不振の打開策として伝統的工芸品の指定を
 意図し、法の施行と同時に臨時総会を開き組合員の了承を得た
  群馬県商工労働部繊維鉱工課(現 経済部工業振興課)から東京通商産業局(現 関東通
 商産業局)へ申出書を提出するが事前調書の段階での擦り合わせや県が実施した「伊勢崎和
 装織物産地診断」結果待ち等で若干遅れが生じ再提出となったようだ

 

 伝統的工芸品の名称が「伊勢崎絣(いせさきがすり)」になった

   伊勢崎織物の歴史において
  昭和 6年発行 伊勢崎織物同業組合史
  昭和41年発行 伊勢崎織物史
  昭和58年発行 伊勢崎織物組合史

   上記の3史には地域ブランド(伊勢崎 + 名称)に「伊勢崎絣」は出てこない
  「伊勢崎縞」、「伊勢崎太織」、「伊勢崎銘仙」だけである
  ここで伝産法を良く読むと「伝統的工芸品の名称」に関しては特に制約が無いようだ
   伊勢崎産地より三ヶ月早い昭和50年2月17日に指定された「信州紬」があるが、
  「信州紬」は長野県の紬「上田紬」、飯田紬」、伊那紬」等を指定に向けてまとめた
  統一呼称と考えられる
   昭和49年度に群馬県が実施した「伊勢崎和装織物産地診断」で
  組合の権威ある新ブランドを設定し汚名返上と新規ルートを通じの展開を指摘、
  新ブランド名の例として「上州紬」を挙げた
・・・これは「信州紬」と同じ発想からき
  ているようだ
   また、組合で昭和51年に作成したパンフレットには「多年に亘り承継された伝統絣
  の技法が伊勢崎絣の統一呼称のもとに伝統的工芸品として通産大臣より指定された」と
  ある 伊勢崎絣は括り絣、板締絣、併用絣、緯総絣の四技法の統一呼称説である
   最終的には伊勢崎織物工業組合(理事長 平田常夫)で「伊勢崎絣」に決定したもの
  である  

   伊勢崎織物工業組合(工芸品を製造する事業者の2分の1以上で構成している)では
  「伊勢崎絣」として括り絣、板締絣、併用絣、緯総絣の4種類の指定申出書を提出し
  昭和50年5月10日付で指定されました。

   解模様絣は伝統的工芸品伊勢崎絣として指定申出されていない、当時として銘仙は人
  気がなくなり、製織の工程が機械化され手作業でない点、産地外への外注依存が高い等
  の理由が考えられます

   この指定により、伊勢崎産地の地域ブランドは「伊勢崎銘仙」から「伊勢崎絣」にな
  りました


 伊勢崎絣を通商産業大臣が指定した官報告示

  通商産業省告示第168号
  伝統的工芸品産業の振興に関する法律(昭和49年法律第57号)第2条第1項及び
  第2項の規定に基づき伊勢崎絣を同条第1項の伝統的工芸品として指定したので、同条
  第4項の規定に基づき告示する。
   昭和50年5月10日
            通商産業大臣 河本敏夫


 一 伝統的工芸品の名称 伊勢崎(がすり)
 二 伝統的な技術又は技法
  1 次の技術又は技法により製織されたかすり織物とすること。
   ⑴ 先染めの平織りとすること。
   ⑵ かすり糸は、たて糸及びよこ糸又はよこ糸に使用すること。
   ⑶ かすり糸のかすりを手作業により柄合わせし、かすり模様を織り出すこと。
  2 かすり糸の染色法は、「手くくり」、「板締め」又は「型紙なせん」によること。
 三 伝統的に使用されてきた原材料
    使用する糸は、生糸、玉糸、若しくは真綿のつむぎ糸又はこれらと同等の材質を有す
    る絹糸とすること。
 四 製造される地域
    群馬県 伊勢崎市
        佐波郡境
        新田郡尾島町及び新田町
    埼玉県 本庄市



  伝統的工芸品として指定を受けると伝産法にしたがって、伝統的工芸品産業の振興を
 図るための振興計画を作成し、国、群馬県等の助成措置を受けることができ

  1次振興計画は、昭和50年11月に5年にわたる振興計画が通商産業大臣より承認
 されました

 振興計画等による各種事業としては





 伝統的工芸品の表示

通商産業大臣により指定を受けた伝統的工芸品は、
個々の商品に『伝統的工芸品として指定されている
ものであること』を表示することができると伝産法
に規定されています

この表示は、伊勢崎織物工業組合が通商産業
大臣の認定を受けた振興計画、振興計画
終了後においては通商産業省製造産業局

の認定を受けた「伝統証紙表示事業実施規程」に基
づいて組合が実施することができます










  組合は「伝統証紙表示実施規程」に従い、対象となる伝統的工芸品について通商産業
  大臣の認定を受けた検査方法にて検査を行い、検査基準に合格したものに「伝統証紙」
  を貼付します

  一般財団法人伝統的工芸品産業振興協会(伝産協会)が実施している伝統的工芸品統一
  表示事業は統一された「伝統証紙」を貼付することにより、消費者が伝統的工芸品を安
  心して購入できるマークです







 伝統工芸士

 伝統工芸士は、その産地固有の伝統工芸の保存、技術・
 技法の研鑽に努力し、その技を後世の代に伝えるという
 責務を負っています そのため、伊勢崎絣伝統工芸士会
 に加入し、産地における伝統工芸の振興に努めることにな
 ります 誕生時は通商産業大臣認定資格であり、経済産
 業大臣認定資格を経て、現在は伝産協会が認定事業を行い
 伝産法の規定に基づく言わば国家資格となっています







  受験資格は伝統的工芸品の製造に20年(現在は12年に短縮)以上の経験年数を有し
  原則産地内に居住している者であることが条件です

   伝統工芸士の資格取得後も5年毎に研修会の出席が必要とされます






 伝統的工芸品(織物37、染色品11、その他繊維製品4)
                   平成29年1月26日現在


指定年月日  指定順  工芸品名  都道府県 分類  銘仙産地
 昭和50年 2月17日  3  村山大島紬  東京  織物  村山銘仙
   4  塩沢紬  新潟  織物  
   6  信州紬  長野  織物  
   9  本場大島紬  鹿児島  織物  
   10  久米島紬  沖縄  織物  
   11  宮古上布  沖縄  織物  
 昭和50年 5月10日 14   伊勢崎絣  群馬  織物  伊勢崎銘仙
  16   加賀友禅  石川  染  
 昭和50年 9月 4日 28   小千谷縮  新潟  織物  
  29   小千谷紬  新潟  織物  
  32   有松・鳴海絞  愛知  染  
  35   弓浜絣  鳥取  織物  
 昭和51年 2月26日  37  置賜紬  山形  織物  
   40  西陣織  京都  織物  
   41  京鹿の子絞  京都  染  
 昭和51年 6月 2日  47  東京染小紋  東京  染  
  54   京友禅  京都  染  
  55   京小紋  京都  染  
  59   博多織  福岡  織物  
  60   久留米絣  福岡  織物  
  61   読谷山花織  沖縄  織物  
  62   読谷山ミンサー  沖縄  織物  
 昭和51年12月15日 65   本塩沢  新潟  織物  
  71   伊賀くみひも  三重  他  
  72   京繍  京都  他  
  73   京くみひも  京都  他  
 昭和52年 3月30日 78   結城紬  茨城 栃木  織物  
  80   近江上布  滋賀  織物  
 昭和52年10月14日 84   桐生織  群馬  織物  桐生銘仙 足利銘仙
  85   本場黄八丈  東京  織物  
 昭和53年 7月22日 103   阿波正藍しじら織  徳島  織物  
 昭和54年 8月 3日 111   京黒紋付染  京都  染  
 昭和55年 3月 3日 115   東京手描友禅  東京  染  
  116   多摩織  東京  織物  八王子銘仙
 昭和57年11月 1日 132   十日町絣  新潟  織物  
  133   十日町明石ちぢみ  新潟  織物  
 昭和58年 4月27日 138   琉球絣  沖縄  織物  
  139   首里織  沖縄  織物  
  140   名古屋友禅  愛知  染  
  141   名古屋黒紋付染  愛知  染  
 昭和59年 5月31日 145   琉球びんがた  沖縄  染  
 昭和62年 4月18日 159   与那国織  沖縄  織物  
  163   牛首紬  石川  織物  
 昭和63年 6月 9日 164   喜如嘉の芭蕉布  沖縄  織物  
 平成 元年 4月11日 167   八重山ミンサー  沖縄  織物  
  168   八重山上布  沖縄  織物  
 平成 3年 5月20日 172   加賀繍  石川  他  
 平成17年 9月22日 207   羽越しな布  山形  織物  
 平成24年 7月25日 212   知花花織  沖縄  織物  
 平成25年 3月 8日 214   二風谷アットゥシ  北海道  織物  
 平成25年12月26日 216   秩父銘仙  埼玉  織物  秩父銘仙
 平成29年 1月26日 225   南風原花織  沖縄  織物