伊勢崎銘仙アーカイブス
TOP  topページへもどる


 

 共進会

  「共進会」とは 広辞苑:産業振興の目的で、農作物や工業製品を出品させ、一般に展覧
  して品評・審査する会。明治政府が各地で開催

 明治18年開催 「繭糸織物陶漆器共進会」

  繭、糸、織物、陶器、漆器の五品を扱うので通称「五品共進会」と略称した
   会場:東京市 上野公園
   会期:明治18年(1885)4月~6月

  当時の伊勢崎太織会社の社長は下城弥一郎で「五品共進会」に出品 群馬県から
 「五品共進会」に合わせて開催した「織物集談会」に出張の命があり、全国各地の経験談
  を聴く機会を得た

 「五品共進会」審査官の評価
   審査員 山岡次郎(農商務省)、平賀義美(農商務省)、森山芳平(桐生織物)、
       川島甚兵衛(川島織物)等で官民よりなる

  伊勢崎太織の審査評語(粗製乱造への警告)
    伊勢崎太織は豆液を以て糸の繊維を固而め後藍染にす故に褐色の憂あり又近頃は
   本糸を用ふるものありされども筬目(おさめ)粗なるが故に整理に至て粗笨(そほん)
   を免かれず却て奮に復し玉糸を用ふるに如かず又夏物の需要広きを以て殊更染法に
   注意するを要とす

  五品共進会で「絹織物業は組織染色等依然として旧観を改めさるのみならす、動もすれは
 染色粗濫に流れ紋様配色見るに足らさるなり」審査概評より
  このため農商務省では急遽「両毛地方を始め各産地に技師を派して泥縄式に講習会を開催
 し」引き続いて「各織物産地に染織講習所の設立を促し」「先づ桐生、足利、伊勢崎、八王
 子、山梨等に講習所が開催又は常設さるに至り平賀義美、山岡次郎等の諸氏出張され、後に
 蔵前工業学校卒業の山岡勉(貴雄)、岡本金一郎、平田専太郎の諸氏に出張講習させた」

  各織物産地はこれに応えて明治18年11月11日足利織物講習所が開設し 続いて京都、
 伊勢崎、桐生、八王子、川越等が相次いだ

  その後開催の内国勧業博覧会や共進会等では明治18年「五品共進会」で指摘された事項
 は改善されて上位の賞を賜り、下城弥一郎や森村熊蔵は内国勧業博覧会・共進会の審査員を
 命じられた


  伊勢崎織物組合が出品した明治時代の主な展覧会
 開催年  展覧会の名称  開催場所  
 明治14年
1881
 第一回 一府四県連合共進会  神奈川県八王子町
現 東京都八王子市
 下城弥一郎初出品で
六等褒状受賞
 明治15年
1882
 第二回 七県連合共進会  群馬県 山田郡
    桐生新町
 
 明治18年
1885
 繭糸織物陶漆器共進会  東京府 上野公園  
 明治23年
1890
 第三回 内国勧業博覧会  東京府 上野公園  下城弥一郎審査官を任命
伊勢崎縞三等有功賞を受賞
 明治26年
1893
 コロンブス万国博覧会
 日本館
 米国 シカゴ  群馬県は下城弥一郎を
博覧会の臨時事務委員に任命
又、徳江八郎を博覧会に派遣
 明治26年
1893
 第七回 一府六県連合共進会  栃木県宇都宮市  下城弥一郎 森村熊蔵
審査官を任命
伊勢崎縞二等賞を受賞
 明治28年
1895
 第四回 内国勧業博覧会  京都府 岡崎公園  下城弥一郎審査官を任命
有功二等賞を受賞
 明治30年
1897
 第八回 一府六県連合共進会  栃木県足利町  下城弥一郎審査員を任命
 明治32年
1899
 第九回 一府九県連合共進会  東京府八王子町  下城弥一郎審査員を任命
二等賞を受賞
 明治36年
1903
 第五回 内国勧業博覧会  大阪府 天王寺公園  下城弥一郎審査員を任命
壱等賞を受賞
 明治39年
1906
 第十一回 一府九県連合共進会  山梨県甲府市  
 明治41年
1908
 第十二回 一府十県連合共進会  長野県長野市  
 明治43年
1910
 第十三回 一府十四県連合共進会  群馬県 前橋市  





 群馬県主催 一府十四県連合共進会

 明治43年(1910)9月中浣(旬)前橋市開催
 第十三回 一府十四県連合共進会(管理人所有絵葉書より)

















 会期 明治43年(1910)9月17日~11月15日まで60日間
 一府十四県
 東京府  神奈川県  埼玉県 山梨県   千葉県
 茨城県  栃木県  群馬県  福島県  宮城県
 岩手県  青森県  長野県  新潟県  山形県

 来場者 113万人以上
 第一会場 陳列館 前橋市清王寺町(せいおうじまち 現 群馬県民会館一帯)
 第二会場 参考館 前橋市堀川町(ほりかわちょう 現 本町一丁目周辺)
 第三会場 馬匹共進会場 前橋市紅雲町(こううんちょう 現 県立前橋女子高等学校)

  第一会場の陳列館内に「染織工業館」が織物、染物、編物、組物を陳列す
   節糸織 糸(生糸)の劣等なるものにて織りたる糸(生糸)織を云ふ
   伊勢崎銘仙(群馬県) 秩父縞(埼玉県) 栃尾(新潟県)等


 臨江閣 別館 明治43年(1910)8月完成
 一府十四県連合共進会の迎賓館として建設