伊勢崎銘仙アーカイブス

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 伊勢崎絣伝統工芸士

 染色

  伊勢崎絣(伊勢崎銘仙)の染色は糸のうちに色を染めることである
  伊勢崎産地は先染めの全ての技法を有しており、技法により染色の方法が異なり、
  染色だけで4部門がある

  伝統的工芸品伊勢崎絣の通商産業大臣指定(抜粋)での染色法は
   二 伝統的な技術又は技法
   2 かすり糸の染色法は、「手くくり」、「板締め」又は「型紙なせん」によること。


  括り絣の伝統工芸士が多いのは手作業で効率が悪く、多品種少量生産の技法と言える
 染色の認定部門  人数    
 括り絣  15  締括り(しばり)と同じ
摺込み捺染も行う
括りの機械があるが、当産地は
手くくり であり摺込み捺染行う
ために矩形(くけい)にして広い
土地を必要とし郊外の農村地で
行われる
作業は1人又は夫婦で従事し手
間がかかる作業である
 絣染  5  
紺屋(こんや、こうや)
染物屋
浸染(しんぜん)
括り絣の後工程として地糸と共に
浸染を行う
括り絣の染料の調達配合を機屋の
依頼で行う
精練加工も行うが、廃液の公害
問題を抱えている
昭和40年から地元の和装小幅の
減少を他産地と広幅で半分を補っ
ている
 板締絣  4  機械的防染法の一種で
精緻(せいち)な絣を作る
 絣板を用いた大量生産方式である
重ねた板を締め付けたり、移動さ
せたり重労働である
板の保管で広い土地、建物が必要
とされる
 捺染加工  9  加工屋
型紙を用いてプリント
 型紙を用いた大量生産方式である
色数(辺数)は5~20辺が一般
的で30辺位が限度である
作業スペースに蒸箱、横板巻機、
ボイラー等主設備が必要とされる



 括り絣 と 絣染 のコラボ

     作業場
金棒(直径3cm)
経絣糸は 一疋(約25m)の長さ又は半分に折り返して
金棒の下部を土に刺した金棒から金棒に渡し一反
(約12.5m)の長さに張る
 1  墨付
 刷毛、ササラ
墨(藍花)
 経玉(へだま)に取られた糸を張り、既に意匠図案通り
に染色された種糸を頼りにして擦込捺染する箇所に目印の
墨を刷毛等で付ける
墨(藍花)は藍瓶の液面に出来る藍色の泡で熱を加えると
色が消える
 2  摺込捺染  捺染棒
染料
 墨で印を付けた箇所に竹べら状の捺染棒2本で原糸の白糸
を上下で挟み交互に動かし、すりつけて染める
スキル:糸の張りがゆるいと糸が荒れる・・・糸同士が絡む
    又、張りが強すぎると糸の中まで染色出来ない
    色が平らで無く、色ムラが出来る




伊勢崎絣伝統工芸士
 染色部門 括り絣
  松本品蔵氏
 平成16年叙勲
  瑞宝単光章
 3  括り  ビニールテープ  摺込捺染をした箇所が乾いてから、この箇所にビニール
テープでしっかりと括り、地糸浸染の際に、染料が染み込
まない様にする
スキル:原糸、浸染液の濃度、絣の大小、括りの太い細い
    により括りの強弱を調整する
 4  浸染  アウトソーシング  括り済の糸と地糸を共に紺屋へ届ける・・・
浸染済の糸を濡れているうちに再び括り屋(しばり屋)へ
戻す
 5  括り糸
ほぐし
   乾燥しない内に、括ってあるビニールテープをほぐす
 6  絣合わせ  ビニールテープ  絣の柄合わせをして絣崩れをしないように、所々にビニー
ルテープで止め括りをする
 7  糊張り  糊剤(ふのりが
主原料)
 経糸に糊を付け適度の張力を加えて充分に天日乾燥させる









     
アシには3つ
の意味が
 
アシ 
絣足
(かすりあし)
 絣は糸を括ったりし先染めし織り上げる際に
模様に自然なズレが出来、これを絣足と云う


恰も
和紙に墨が
滲んで様に
掠れる
 アシ   足  地糸と絣柄の境界線をアシと云う
この部分にほんの僅か地糸がにじみ、ほんのり
とぼかしになった処に価値がある


高度な熟練を
要する
 アシ ③  足  経糸の絣で、絣から次ぎの絣までの間隔を云う
間隔の開いているものは「足が長い」、間隔の
狭いものを「足が短い」と云う



括り絣の経糸
絣と絣の経の間隔
を足
     
     
 ヒッカアセ  引き合わせ
キッカアセ
(菊花合わせ)
 2種類以上の絣糸を柄組して止め糸で固定する