平成15年10月伊勢崎織物協同組合の前 理事長田村直之氏の叙勲祝賀会が
伊勢崎市内で開催され来賓祝辞で当時の市長矢内一雄氏が「広辞苑」で伊勢崎
を引くと織物のこときり出てこない
これだけ伊勢崎市の産業構造が変わっても伊勢崎には織物以上のものが無いと
述べられた
あ行 | |
藍染 | (あいぞめ) |
藍(あい)で染めること、伊勢崎産地では昭和54年に国から の助成を受け伊勢崎絣を藍染で行った |
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足利銘仙 | (あしかがめいせん) |
栃木県足利地方から産出する銘仙、銘仙五大産地の一つで 解し絣が有名である 足利織物伝承館で銘仙の見学可能 足利商工会議所では市民から譲り受けた足利銘仙が500着保管され 意匠のデータベース化は図った |
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後染め | (あとぞめ) |
白地の布に後から模様を染める技法 染物と言う | |
伊勢崎織物協同組合 | (いせさきおりものきょうどうくみあい) |
昭和26年4月設立、伊勢崎地方の機屋並びに関連業者が組合 員となり、協同事業(販売会等の開催等)を行っている |
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伊勢崎織物工業組合 | (いせさきおりものこうぎょうくみあい) |
当組合は現在までに3回設立している 現在の組合は平成16 年1月に設立 組合員は機屋に限定される |
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伊勢崎絣 | (いせさきがすり) |
昭和50年に国の伝統的工芸品に指定された名称 伊勢崎太織をルーツとする |
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伊勢崎銘仙 | (いせさきめいせん) |
群馬県伊勢崎地方から産出する銘仙、銘仙五大産地の一つ 様々な絣の技法・技術を有する |
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伊勢崎銘仙会館 | (いせさきめいせんかいかん) |
当法人は昭和19年に第1次伊勢崎織物工業組合が解散し、 その財産の管理目的に財団法人として設立、平成25年4月に 一般財団法人となる |
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居坐機 | (いざりばた) |
地機(じばた)ともいう 脚のない原始的な織機 伊勢崎産地では大正2年に高機の数が居座機を上回った |
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板舟 | (いたぶね) |
板締絣で使用する板を乾燥で割れないように漬けて保存する水槽 | |
一疋機屋 | (いっぴきばたや) |
明治初期に茂呂村(現在の伊勢崎市茂呂地区)の中に市(いち) の度に一疋(2反)程度の僅かの銘仙を持ちよりこれの出来栄えが 良く好評だった |
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売り絣 | (うりがすり) |
他産地の下職を行うこと | |
ウール着尺 | (うーるきじゃく) |
経糸、緯糸ともにウール(羊毛)を使用した着尺 伊勢崎産地ではポスト伊勢崎銘仙として昭和30年代後半 より生産した |
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大絣 | (おおがすり) |
反物の幅(37cm)に4つ(4山)以下の絣 大柄で絣糸の 使用する量が多い 伊勢崎市豊受地区を中心に生産 |
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筬 | (おさ) |
織機の部品 機織りの歌に「おさの音」と歌われている | |
御洒落着 | (おしゃれぎ) |
銘仙を着るTPOを上手く表現している 銘仙は普段着では有るが、休日に御洒落に着飾って街へ遊びに 行く際に着る |
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緒巻 | (おまき) |
経糸を巻く器具、機屋は緒巻を機織り(出機)に届ける | |
か行 | |
買継商 | (かいつぎしょう) |
伊勢崎産地の機屋は販売機能を持たない、伊勢崎産地の買継商 は機屋から伊勢崎銘仙等の着尺を購入し東京・京都等の集散地 問屋へ売り渡す 東関東の機業産地に見られる特異な業種 |
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絣 | (かすり) |
経糸、緯糸の両方若しくは片方の糸に絣糸を使い微妙に柄をず らしながら織り上げる出来るかすったような文様 |
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絣足 | (かすりあし) |
絣模様の不揃いになった部分 絣糸を用いて織り上げた絣織物に 自然に出来る模様のずれ |
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絣糸 | (かすりいと) |
絣の文様をつくるために染められた糸、括り・板締め・ 型紙捺染で糸を染める |
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がちゃまん | (がちゃまん) |
織機の音のガチャン(擬音語)と通貨の単位の万円を組み合わ せた言葉で織機が稼働すると万単位の収入が有ると言う造語 昭和20年代後半ごろ全国織物産地で使われた |
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型紙捺染 | (かたがみなっせん) |
併用絣の経糸・緯糸、緯総絣の緯糸に対して仮織りした糸に 色数の型紙を使い刷毛で刷り込む |
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生糸 | (きいと) |
繭から繰糸機で作る糸、まだ練らない絹糸 | |
着尺 | (きじゃく) |
大人一人分の着物に要する反物の長さと幅、一反 | |
求評会 | (きゅうひょうかい) |
伊勢崎織物織物の求評会は組合が主催する展示会で販売を目的と しない、顧客の評価を伺い商談は後程行う |
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桐生織 | (きりゅうおり) |
群馬県桐生地方から産出する織物、「東の京」と称され高級 織物で知られる 銘仙五大産地の一つでもあった 昭和52年 10月国の伝統的工芸品に指定された |
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絹宿 | (きぬやど) |
1759年(宝暦9年)に伊勢崎に15軒あった 後の買継商で ある |
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括り染め | (くくりぞめ) |
糸の一部をポリエチレンテープでかたく縛りその所へは染料 が染み込まないようにして糸の束全体を染める |
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草木染 | (くさきぞめ) |
天然の植物・動物・鉱物で染めること 化学染料を使用しない | |
絹糸紡績糸 | (けんしぼうせきし) |
副蚕糸(屑繭)から紡績機械で糸にしたもの 銘仙に使用さ れる |
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絹紡糸 | (けんぼうし) |
絹糸紡績糸と同じ | |
交織 | (こうしょく) |
経糸と緯糸を異質の糸を使用して織り上げた織物の総称 絹糸と綿糸等 |
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小幅 | (こはば) |
着物用反物の横幅 鯨尺9寸5分(約37cm) | |
さ行 | |
先染め | (さきぞめ) |
糸のうちに文様を染めてから布に織り上げる 伊勢崎銘仙など | |
地糸 | (じいと) |
伊勢崎銘仙においては絣の文様を構成する絣糸以外の何も柄 の無い比較的広い部分を占める縦緯糸のこと 浸染をする |
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締括染め | (しばりぞめ) |
括り染めと同じ、伝産法に伴い全国的に括り染めで統一された | |
集散地問屋 | (しゅうさんちとんや) |
伊勢崎産地の買継商が東京・大阪・京都・名古屋等の大消費 地の問屋へ織物を送り、その後その問屋から全国の呉服店・ 百貨店に着物を送る流通システムの問屋 |
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シルクウール | (しるくうーる) |
昭和30年代に商品化された着尺 経糸を生糸又は絹紡糸、緯糸 を梳毛(そもう 羊毛)糸の変撚糸 |
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浸染 | (しんぜん) |
染料を瓶に入れ、その中に糸を浸して地糸を染める 捺染に 対する染色用語 |
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整経 | (せいけい) |
機織機にかける前工程 経糸を一定の長さと本数にそろえる 工程 経(けい)は経糸(たていと)を指す |
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精練 | (せいれん) |
生糸の表面にはセリシン(蛋白質)に覆われており、生糸を アルカリ性の薬品で取り除き、光沢や柔軟さを富ませた練糸 (ねりいと)と作る |
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蝉の羽 | (せみのはね) |
昭和30年代に銘仙の一部は薄く糊で持たせ透かすと向こうが 見え、「蝉の羽」と悪評 |
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繊度 | (せんど) |
糸の太さを表す 生糸はデニールを絹紡糸は番手を使う | |
綜絖 | (そうこう) |
機織り機に付いている部品で経糸を上下に分け杼道をつくる |
た行 | |
高機 | (たかばた) |
腰を掛ける手織機、伊勢崎産地には1887年(明治20年) 森村熊蔵が持ち込んだ 居坐機に比べて作業性が良い 一般にハタシと呼称する |
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経糸 | (たていと) |
織物で経(たて)の方向の糸 | |
経絣 | (たてがすり) |
経糸だけに絣糸を用いて絣文様を織り上げた織物 力織機が使 用できる |
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経緯絣 | (たてよこかすり) |
経糸・緯糸ともに絣糸を使用して絣文様を織り上げた織物 | |
玉糸 | (たまいと) |
玉繭(2匹以上の蚕が一緒になり作った繭)からとった生糸 節の多い太い糸 |
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多摩織 | (たまおり) |
東京都八王子付近で生産する織物、八王子銘仙で知られ銘仙五 大産地の一つでもあった 昭和55年3月に国の伝統的工芸品 に指定された |
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反物 | (たんもの) |
1反に仕上げられた織物 1反は成人1人前の織物の量 幅9寸8分(約37cm) 長さ3丈(約12m) |
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秩父銘仙 | (ちちぶめいせん) |
埼玉県秩父地方から産出する銘仙、銘仙五大産地の一つで解し 絣が有名である 2013年12月に銘仙の名称では初めて国の伝 統的工芸品に指定される ちちぶ銘仙館にて見学可能 |
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千代田御召 | (ちよだおめし) |
伊勢崎産地で昭和初期に生産された経糸に絹紡糸、緯糸に人絹 糸を用いた交織 御召風の織物 |
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珍絣 | (ちんがすり) |
括り絣と板締め絣を指す 伊勢崎産地が得意とした | |
紬 | (つむぎ) |
絹織物の一種 真綿を手紡ぎ(てつむぎ)した紬糸を経緯糸に 使い手織機で仕上げたもの 結城紬・大島紬等が有名 |
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出機 | (でばた) |
機屋が機織りを外注すること 農家の子女に織らせること | |
伝統的工芸品 | (でんとうてきこうげいひん) |
経済産業大臣指定伝統的工芸品のこと 伊勢崎絣は昭和50年 5月に指定された |
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伝統工芸士 | (でんとうこうげいし) |
伝統的工芸品に指定された産地の従事者に与えられる国家資格 である 産地固有の伝統工芸の保存、技術・技法の研鑽に努力 し、その技を後世の代に伝えるという責務を負っている。 |
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な行 | |
捺染 | (なっせん) |
糸に染色する方法で印をつけた場所に捺染棒や刷毛等で染料を 刷り込んで染色する |
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捺染棒 | (なっせんぼう) |
染料をつけて刷り込み捺染をする棒状の器具 括り染めに使用 | |
撚糸 | (ねんし) |
単糸を2本以上合わせ撚(よ)りをかけた糸 撚りとはまじえてねじれ合わせること |
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ノコギリ屋根 | (のこぎりやね) |
ノコギリ型三角屋根織物工場のこと 北向き窓で内部に柔らか く安定した光が入り色使いの作業に向いた建物 |
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は行 | |
パサ返し | (ぱさかえし) |
染加工の終わった緯糸を揚げ返す器具 一緒に巻く新聞紙が パサパサ音を出すことから呼称 |
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機回り | (はたしまわり) |
伊勢崎産地の機屋はアウトソーシング(外注)に依存する生産 システムで成り立っている 機屋自ら若しくは従業員が外注先を 工程順に廻り生産管理を行う |
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機屋 | (はたや) |
本来の意味は機を織ることを業とする者を指すが、伊勢崎産地 では機屋は織物製造業者で自分の屋号を持つ織物メーカーであ る |
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杼 | (ひ) |
織機に使う舟形の器具で緯糸を通す操作に使う 英語でシャト ルと言いスペースシャトルのシャトルと同じ意味である |
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疋 又は 匹 | (ひき) |
小幅織物2反分を言う 疋は製造業者が使う言葉で機織りの 単位である |
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一人機屋 | (ひとりばたや) |
機屋で従業員を雇用せずに一人で糸を仕入れ、工程順にいくつ もの外注先を回り伊勢崎銘仙を完成させる様を表してしる |
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百姓機屋 | (ひゃくしょうばたや) |
農業と機屋の兼業 | |
平織 | (ひらおり) |
経糸と緯糸を交互に浮き沈みさせて織る、最も単純な織物組織 伊勢崎銘仙・伊勢崎絣は平織である |
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広幅 | (ひろはば) |
広幅織物の略 伊勢崎産地では一般的に洋服地をさして言う | |
太織 | (ふとおり、ふとり) |
後に銘仙と称する 玉糸又は熨斗(のし)糸を使った平織物 | |
文化御召 | (ぶんかおめし) |
経糸に絹紡糸、緯糸に本絹糸を使用し力織機で製織 緯糸に黒色を使用するものはタンニン鉄の生増量 |
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文化銘仙 | (ぶんかめいせん) |
経糸に絹紡糸、緯糸に玉糸を使用し力織機で製織 緯糸に黒色を使用するものはタンニン鉄の生増量 *文化銘仙は産地により意味が異なる |
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文化村 | (ぶんかむら) |
現 伊勢崎市下植木町粕川左岸一帯で大正7年に下城勝麿が 「互盟商会」を設立し文化御召、文化銘仙を製造した際の 従業員の社宅、協力企業が存在した地域 |
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併用絣 | (へいようがすり) |
併用絣とは二つの絣技法を合わせるの意味で 伊勢崎産地の併 用絣は経糸には解織の技法を緯糸には緯総絣の技法を用いて 織り上げた織物平田達男氏は併用絣で日本画等を忠実に織り 上げた |
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解織 | (ほぐしおり) |
経糸を整経後に仮織りし型紙捺染加工を行う その後仮織りの 緯糸を解しながら正規の緯糸で織り上げる 秩父銘仙・足利銘仙 で用いられる技法である |
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ま行 | |
見本帳 | (みほんちょう) |
織物見本帳のこと 織物の端切れを糊で貼付し本に仕上げた もの 機屋等が織物の文様を考案する際に使用する |
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みゆき紬 | (みゆきつむぎ) |
昭和31年に栗豊(株)が豊田(とよだ)紬をみゆき紬とし商品化 豊田紬とは、茨城県で生産され経糸に片撚りの生糸、又は玉糸、 緯糸に木綿の強撚糸を用いた絹綿交織の紬織物 |
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村山大島紬 | (むらやまおおしまつむぎ) |
東京都武蔵村山市付近で生産される紬 鹿児島県奄美大島の 大島紬に類似した 経緯から村山大島紬と称すが伊勢崎産地 から板締め技法を導入し独自の紬を確立 昭和50年2月に 国の伝統的工芸品に指定された |
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銘仙 | (めいせん) |
絹織物の一種で平織の大衆着尺地の総称 | |
元機屋 | (もとばたや) |
江戸後期から明治初期の機屋(太織製造業者) | |
や行 | |
結城紬 | (ゆうきつむぎ) |
茨城県結城市付近から産する紬平織の着尺地、真綿の手紬から 居座機で織るまで一貫して全行程を手作業、2010年ユネスコ 無形文化遺産に登録 |
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緯糸 | (よこいと) |
織物で緯(よこ)の方向の糸 | |
緯絣 | (よこがすり) |
緯糸だけに絣糸を用いて絣文様を織り上げた織物 | |
緯総絣 | (よこそうがすり) |
緯絣の一種で緯糸全部に絣糸を絣文様を織り上げた織物 | |
ら行 | |
力織機 | (りきしょっき) |
電力を用いる織機 動力織機の略 伊勢崎産地ではプロの 機織りは力織機を使用している |
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