伊勢崎銘仙アーカイブス
 


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 銘仙産地比較 桐生銘仙

   *伊勢崎産地にバイアス(偏り)が在りますのでご了承下さい


 

 桐生は「西の西陣、東の桐生」とか「織都(しょくと)桐生」と言われ
 日本を代表する織物産地である
 桐生で銘仙が製造されたことは、あまり知られていない





   「上毛かるた」より








 「桐生織」とは? 桐生織の伝統工芸士 泉太郎氏が語る

  NHK前橋支局で桐生織の伝統工芸士 泉太郎(いずみ たろう)氏を取材で取り上げていた
  泉氏は番組の中で「桐生織」の特徴を解説された
 「結城、西陣、大島等の色々の産地が在る中で桐生織は思い浮かべづらい織物である
  その理由は自由な物づくりをして来た産地なので独自の工夫を加えられる産地で
  織物づくりは楽しく面白い」と語られた

 「桐生銘仙」は桐生産地に仕事が無い時に一時的に製造したものか?

  だいぶ前であるが、当時桐生織物協同組合 専務理事をされていた小茂田捷氏とお会いした際
 に桐生産地は大正時代から伊勢崎銘仙が活況で桐生産地に仕事が無かった時に伊勢崎銘仙の下
 請けをしていた時期があり「いせちん 伊勢崎産地の織りの略」と言っていたと話された

  同様の内容は「別冊 太陽 銘仙」平凡社 2004年12月発行の中で桐生市在住の銘仙研究家
 新井正直氏が詳しく述べているのでご覧戴きたい
  また、新井氏は「桐生銘仙」に関する資料は余り無く、詳細は不明としている

 「東京朝日新聞群馬版」記事の見出しより

 大正13年(1924)10月15日 伊勢崎銘仙を桐生で製織す 有名な大工場が賃織をやる
 大正13年(1924)10月26日 桐生と伊勢崎 機業の特質 賃業者の面倒を見てやれ
 大正13年(1924)11月26日 桐生の伊勢崎銘仙 賃織益増加の傾向がある
 大正14年(1925) 1月10日 桐生足利の賃織を如何見る 伊勢崎織物界の大問題
                  賃織は永久的産業の基礎でない 此際大方針を樹立せよ

 「桐生銘仙」が五大銘仙産地になぜ入ったのか? 不明である

  銘仙五大産地としては桐生産地の生産量は構成比が5.2%と少ない
  桐生産地は銘仙を主力商品としていない点と伊勢崎産地と足利産地の中間に位置し銘仙
 の活況な時期は両産地をサポートしたと言える
  昭和初期の雑誌(主婦之友、婦女界等)には銘仙四大産地とし、桐生は含まれていない

        銘仙五大産地(大正元年~昭和12年上期までの累計構成比)

 産地名  銘仙生産数量(疋)  構成比(%)  構成比
累計(%)
 伊勢崎   31,916,976  32.6 32.6 
 秩 父  20,246,092  20.7 53.3 
 足 利  19,501,432  19.9 73.2 
 八王子  14,347,088  14.6 87.8 
 桐 生  5,110,422  5.2 93.0 


 「桐生織物」は技法や歴史をオープンに公開している






    平成15年(2003)3月
    桐生市老人クラブ連合会発行

       新・あすへの遺産
    桐生織物と撚糸用水車の記憶
   ー織都きりゅうを支えた先達の素顔ー












    平成16年(2004)3月
    桐生市老人クラブ連合会発行

       新あすへの遺産
     桐生お召しと職人の系譜










 「桐生織物」 千三百年を支えた技術 の動画(40分)をアップ
  平成27年1月群馬県繊維工業試験場作成
      織都桐生千三百年プロモーションプロジェクト
     伊勢崎銘仙も取り上げられている

  上記の2冊の本と動画を閲覧して分かることは「桐生銘仙」が出てこない
 動画では「伊勢崎銘仙」を説明している
  伊勢崎産地は銘仙に特化した織物産地であるが、桐生産地は「桐生織」に見るように
 機械化し、高度な織物技術・技法を有し、桐生産地に仕事が無い時に「伊勢崎銘仙」を手伝つ
 たり、僅か「桐生銘仙」を製造したものと思われる
  「桐生銘仙」宣伝用のポスター、絵葉書等は無いようである





桐生織の官報告示を掲載するが、桐生織の製造される地域に「足利市」が含まれている


桐生織を通商産業大臣が指定した官報告示

  通商産業省告示第473号
  昭和52年10月21日
  通商産業大臣 田中龍夫

 一 伝統的工芸品の名称 桐生織
 二 伝統的な技術又は技法
  1 お召織にあっては、次の技術又は技法により製織されたしぼ出し織物とすること。
   ⑴ 先染め又は先繰りの平織り、綾織り若しくは朱子織り又はこれらの変化織りとするこ
    と。
   ⑵ お召糸に使用する糸は、下よりをした後、わらびのりその他の植物性糊料を手作業に
    よりもみ込むこと。
   ⑶ お召し糸のねん糸には、八丁式ねん糸機を用いること。
   ⑷ しぼ出しは、「湯もみ」によること。
   ⑸ たて糸の密度は、一センチメートル間百本以上とすること。
  2 緯錦織(よこにしきおり)にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物
   とすること。
   ⑴ 「ジャガード機」を用いる先染め又は先練りの平織りの変化織り又は綾織り、朱子織
    り若しくはこれらの変化織りとすること。
   ⑵ 製織には、「手投杼」、「引杼」若しくは「八丁以上の杼」、六枚以上の「伏せ綜絖
    」又は「引箔装置」を用いること。
   ⑶ 紋は、よこ糸で表わすこと。この場合において、「八丁以上の杼」を用いて製織する
    ものは、「縫取り紋」をすること。
  3 経錦織(たてにしきおり)にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とす
   ること。
   ⑴ 「ジャガード機」を用いる先染めの平織り又は綾織りとすること。
   ⑵ たて糸は三色以上とし、三本以上の男巻から引出し一群とした後、手作業により筬羽
    一羽ごとに引き込むこと。
   ⑶ 「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように
    調整しつつ、製織をすること。
   ⑷ よこ糸は、「かげぬき」と「地よこ糸」とを交互に打ち込むこと。この場合において
    、よこ糸の密度は、一センチメートル間四十本以上とすること。
   ⑸ 紋は、たて糸で表わすこと。
  4 風通織(ふうつうおり)にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とする
   こと。
   ⑴ 「ジャガード機」を用いる先染め又は先練りの二重織りとすること。
   ⑵ 製織は、織物の表裏が転換するように二色以上のたて糸及び二色以上のよこ糸を用い
    て経緯二重織りをすること。
   ⑶ 「縫取り紋」をすること。
   ⑷ たて糸の密度は一センチメートル間百二十本以上とし、よこ糸の密度は一センチメー
    トル間四十本以上とすること。
  5 浮経織(うきたており)にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織物とする
   こと。
   ⑴ 「ジャガード機」を用いる先染め又は先繰りのたての重ね織りとすること。
   ⑵ たて糸は、二色以上とし、二本以上の男巻から引出し一群とした後、手作業により筬
    羽一羽ごとに引き込むこと。たて糸の密度は一センチメートル間百五十本以上とするこ
    と。
   ⑶ 「綾竹」の位置を修正するとともに、手作業によりたて糸の張力が均一になるように
    調整しつつ、製織をすること。
   ⑷ 紋は「浮きたて」又は「浮きたて」及び「絵緯(えぬき)」とすること。
  6 経絣紋織(たてかすりもんおり)にあっては、次の技術又は技法により製織された紋織
   物とすること。
   ⑴ 「ジャガード機」を用いる先染め又は先練りの紋織りとすること。
   ⑵ たてかすり糸の染色法は、「手くくり」、「板締め」又は「型紙なせん」によること
    。
   ⑶ 紋は「絵緯」又は「縫取り紋」とすること。
  7 綟り織(もじりおり)にあっては、次の技術又は技法により製織された搦み(からみ)
   織物とすること。
   ⑴ 「ジャガード機」を用いる先染め又は先練りの搦み織りとすること。
   ⑵ 製織には、「手投杼」若しくは「引杼」、「紋振い」又は「変り筬」をもちいること
    。
 三 伝統的に使用されてきた原材料
  1 使用する糸は、生糸、玉糸、真綿のつむぎ糸若しくはこれらと同等の材質を有する絹糸、
   綿糸、麻糸又は金糸若しくは銀糸とすること。
  2 使用する箔は、金箔、銀箔若しくはうるし箔又はこれらと同等の効用を有するものとする
   こと。
 四 製造される地域
   群馬県 桐生市
       太田市
       勢多郡新里村
       新田郡藪塚本町及び笠懸村
       山田郡大間々町
   栃木県 足利市

                              以 上



 既に終了したイベント








 桐生織塾 秋の企画展
 「紘(ひろい) 半併用銘仙」展
 平成28年10月28日(金)~30日(日)
    10:00~16:00
 場所:桐生織塾 無料
 半併用(はんへいよう)銘仙は、経糸を捺染し
た解模様に合わせて緯絣を加えた技法












 第21回 桐生ファッションウィーク

   平成28年10月28日(金)~11月6日(日)を桐生ファッションウィークとして
  桐生市内各所において色々なイベントが開催されます























  桐生ファッションウィーク 2016
  公式ガイドブック B5版 P36
  税込み100円で販売
  (スタンプラリー抽選会付き)

  販売場所 3ヶ所
   有鄰館、
   ココトモ
   桐生駅構内市民活動センターゆい









   桐生織物協同組合では昭和52年に11月3日を「桐生きものの日」とし、
  毎年「きものワインパーティー」等を開催し好評を得ている
   桐生市では毎月第一土曜日に「買場紗綾市(かいばさやいち)」を開催しており、
  11月の買場紗綾市とを挟んでファッションウィークとし、一連のイベントを
  桐生市の秋祭りとして位置づけている





















   日時:平成28年11月3日(木) 開場17:00 開演17:30
   会場:桐生市市民文化会館 4F スカイホール
   内容:ジャズコンサート、豪華賞品大抽選会
   参加料:4,000円(桐生織物協同組合で販売)
   参加条件は男女とも着物着用


 桐生音頭は昭和4年(1929年)北原白秋作詞・山田耕筰作曲「民謡桐生音頭」が先に出来た、昭和32年(1957年)桐生市選定曲。西沢爽作詞・服部逸郎作曲で、青木光一・島倉千代子の両歌手が歌ったものとは別の曲である


 上毛新聞 1928 昭和3年10月30日(火)より


桐生の土地と産業を紹介する民謡を作るため
28日午後3時北原白秋氏と山田耕作氏が桐生市
に来たり関口市長、萩野助役、市の勧業委員、
織物組合の宣伝委員会と桐生館に小憩の後市内
の新鷲、共立、金芳、北川の各工場と天満宮を
見物し同夜懇談会を開いた29日は午前8時から
堀工場と丸山公園と岡公園見て同10時57分発
列車で退桐白秋氏は伊勢崎に立ち寄り山田氏は
帰京した



 白秋全集30 歌謡集2 P75上州より
 岩波書店 1987 昭和62年6月5日発行
 桐生音頭は12節からなる

 

 民謡 桐生音頭

            作詞 北原白秋
            作曲 山田耕筰

 1、ハハァ 機(はた)の起りは ヨイヨイ 白滝姫よ ヨイヨイヨイヨイ
   姫は機神(はたがみ)
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン
   蚕飼(こが)いに、糸とり、機織り教へた
    (以下 繰り返し)
   セセッセッセト キリハタトントン
   市(いち)が立つ立つ 桐生の市が
   市で逢いましょ 桐生の市で
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン

 2、ハハァ 元は白絹(しらぎぬ) ヨイヨイ 仁田山絹よ ヨイヨイヨイヨイ
   こゝで興った
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン
   新田は義貞 源氏は白旗(しらはた)

 3、ハハァ かはいあの子に ヨイヨイ 着せたいものは ヨイヨイヨイヨイ
   縞か絣か
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン
   派手でもおっとり 桐生のお召だ

 4、ハハァ 着れば着ざむいヨ イヨイ 御恩にゃならぬ ヨイヨイヨイヨイ
   わたしゃ織ります
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン
   さらりと 銘仙 帯なら黒繻子(くろじゅす)

 5、ハハァ 桐生桐生と ヨイヨイ 通ふはよいが ヨイヨイヨイヨイ
   すぐに浮名の
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン
   経糸(たていと)、緯糸(よこいと)、抜きさしゃなるまい

 6、ハハァ 昔ゃ賃機(ちんばた) ヨイヨイ 仁田山がよひ ヨイヨイヨイヨイ
   今ぢゃ織機(しょぅき)で
   チャチャッカ チャチャッカ キリハタトントン
   おまへもわたしも夜の目も寝ずだよ

 白滝姫伝説

今から1200年前、白滝姫が桐生に来た、桐生市川内の山々を見て「ああ、あれは京で見ていた山に似た山だ」と言ったことから、この地域を「仁田山(にたやま)」といい 桐生織は、江戸時代前期までは「仁田山織」と言われていた