先行研究者として「伊勢崎銘仙」を永年研究された方を紹介します
年代(年齢)順
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氏 名 |
主な経歴 |
ジャンル |
現在の状況 |
1 |
矢島三郎
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元 県立伊勢崎工業高等学校
繊維工学科教諭 |
技術・技法、染織史 |
逝去 |
2 |
武藤和夫
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元 県伊勢崎繊維試験場勤務 |
技術・技法、染織史 |
平成29年3月
逝去 |
3 |
青木 宏
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元 早稲田大学本庄高等学院教諭 |
伊勢崎織物史(総合、地理) |
現役で活動中 |
4 |
松嵜久実
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浦和大学短期大学部教授 |
伊勢崎織物史(明治時代の
経済人、政治家、教育者) |
現役で活動中 |
5 |
新井正直
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元 県繊維工業試験場勤務 |
デザイン、技術・技法
染織史 |
現役で活動中 |
矢島三郎(やじま さぶろう)
伊勢崎で機屋を営む家に誕生
昭和17年(1942)12月群馬県立伊勢崎工業学校紡績機械科を卒業
戦後は家業の織物製造業に10数年従事
その後は群馬県立桐生工業高校等に勤務し昭和40年6月からは母校の
群馬県立伊勢崎工業高等学校紡織科教諭に就任し昭和61年3月までの
20年有余在籍
矢島氏が伊勢崎工業高等学校在職中に調査を行った
昭和55年2月25日発行
編集・発行 群馬県教育委員会文化財保護課
群馬県無形文化財緊急調査報告書
群馬県教育委員会編 「伊勢崎の絣」
B5判、P84
矢島氏が織物職人の調査を指導
また、本の中で付録として「織物用語」を解説している
昭和62年2月28日発行
編集・発行 伊勢崎市
伊勢崎市史民俗調査報告書第七集「伊勢崎の職人」
B5判、P200
武藤和夫(むとう かずお)
武藤氏は桐生市に生まれ群馬大学工学部紡績科で学んだ後
茨城県繊維工業指導所で結城紬の研究をし
昭和32年から群馬県伊勢崎繊維工業試験場に勤務し
平成元年に退職されるまでの32年間伊勢崎銘仙を主に研究指導をされた
その間に収集した銘仙や海外の絣等は実に数万点と言われている
退職後は出身地の桐生市において桐生織塾を発足させ
ライフワークとして銘仙の研究と指導を行っていたが
現在は体調を崩され、桐生織塾は新井求美氏が塾長を
務めている
桐生織塾
ホームページがあります
青木宏(あおき ひろし)
伊勢崎市出身在住
早稲田大学教育学部社会科地理歴史課程卒業
群馬県立伊勢崎東高等学校教諭
早稲田大学本庄高等学院教頭
本庄高等学院青木宏奨学金を創設
平成元年11月20日発行
編集 伊勢崎駅開業100周年記念事業実行委員会
「街とともに歩み明日へ」-伊勢崎駅100年史ー
主文の「駅と街の一世紀の歩み」を執筆
平成3年4月1日発行
編集・発行 伊勢崎市
「伊勢崎市史 通史編3 近現代」を分担執筆
平成8年10月31日発行
編集・発行 伊勢崎商工会議所
「伊勢崎商工会議所五十年史」を執筆
青木宏監修「いせさき銘仙」
平成26年8月25日発行
発行 みやま文庫
詳しくは
「みやま文庫」のページ
青木氏は伊勢崎市に同書を寄贈
伊勢崎市では市内全小中学校へ配布した
青木氏は伊勢崎市内の公民館、図書館
伊勢崎市赤堀歴史民俗資料館等に招かれ
伊勢崎銘仙をテーマにご講演されている
松嵜久実(まつざき ひさみ)
昭和24年(1949)奈良県に生まれる
昭和57年(1982)東京大学大学院経済学研究科
神奈川情報文化専門学校、ナノシステム研究所を経て
平成 5年(1993)浦和短期大学経営科助教授
同年、東京大学経済学博士
現在 浦和大学短期大学部教授 介護福祉科学科長
平成13年(2001)3月14日の地元紙 上毛新聞に
松嵜氏の著書「地域経済の形成と発展の原理」が紹介された
伊勢崎市の織物業の歴史を通して、地域経済のあり方を
研究した。当時の伊勢崎市が織物業者と地元の政治家、教育者
が複合的に支えるネットワーク社会であったと論じている。
私(管理人)は早速、新聞に掲載されていた連絡先に電話
をすると直接松嵜氏が電話にでられ1冊を購入した
「地域経済の形成と発展の原理」 -伊勢崎織物業史における資本原理と地域原理ー
発行所 シーエーピー出版 定価3,800円+税
東京大学経済学博士の学位論文なので初心者向きでは無い、
奈良県の出身で伊勢崎には縁の無い松嵜氏が伊勢崎織物業史に関心を抱き、足繁く伊勢崎へ
通い7年の年月を要して完成したものである
青木宏監修「いせさき銘仙」
平成26年8月25日発行
発行 みやま文庫
松嵜氏は「伊勢崎織物業と地域の社会経済」
を分担執筆
詳しくは
「みやま文庫」のページ
松嵜氏は伊勢崎市において幾度か講演会に招かれて講演をされている
平成23年(2011)6月25日 伊勢崎市歴史民族資料館主催講演会
「織物業を発展させる地域の英知」 -伊勢崎銘仙、福井羽二重から学ぶー
昭和31年(1956)桐生市に生まれる
昭和57年(1982)群馬県(繊維工業試
験場、産業経済部工業振興課)に勤務
染織技術とデザインを主な研究テーマとする
現在 染織史研究家として活動
別冊太陽
銘 仙
大正昭和のおしゃれ着物
平成16年(2004)12月
平凡社発行
新井氏は
糸から始まる物語
ー関東銘仙産地の歴史、風土を訪ねてー
を執筆
高崎市の紅板締は昭和7年(1932)に姿を消した
それから74年後の平成18年(2006)に
たかさき紅の会 らは20回の試作を行い復元に成功
吉村染工場・吉村家の子孫の方々が関係する設備
や資料を保存されていたことや
新井氏等の協力があった
からである
よみがえる紅 -高崎の絹と染工場ー (共著
新井正直)
発行 たかさき紅の会 平成17年(2005)
制作 上毛新聞社 非売品
伊勢崎市立図書館、群馬県立図書館で閲覧可能
青木宏監修「いせさき銘仙」
平成26年8月25日発行
発行 みやま文庫
新井氏は「伊勢崎銘仙の技法とその変遷」
を分担執筆
詳しくは
「みやま文庫」のページ
足利市立美術館で開催の「VIVID銘仙」展の図録
を兼ねて作成
図書名:「VIVID銘仙」
監修:足利市立美術館
A5変型 総頁208頁
発行所:青幻社
発行日:2016年10月27日
定価2,500円+税
執筆
大森哲也(足利市立美術館館長)
新井正直
沢辺満智子
内容
約70点の着物並びに図案、ポスターを掲載し
着物の情報(年代、技法、素材等)を記している