伊勢崎銘仙アーカイブス
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 伊勢崎地域別 旧佐波郡 名和村(なわむら)



  那波城



  名和村(現 伊勢崎市名和地区)は伊勢崎市の
 南西に位置し利根川を挟んで南には埼玉県本庄
 がある





 利根川にかかる仮橋の写真は坂東大橋北詰(伊勢崎市)伊勢崎土木事務所作成の説明板より




  利根川の八斗島(やったじま)と本庄間は昭和6年6月に坂東大橋が開通するまで増水時
 は渡舟で、冬季には舟を6艘(そう)並べた 舟橋がかけられたが大正時代には仮橋がかけら
 れ料金を徴収した






 渡舟や舟橋・仮橋は豊受村・茂呂村の機屋が
機回り( ハタシマワリ )で埼玉県本庄周辺
の織り娘に引込みをした緒巻 (オマキ)を届け、
織り上がったら回収でよく利用した






  昭和6年6月に伊勢崎織物同業組合の3千円ををはじめとする織物関係者の寄付も加え
 鉄橋の旧坂東大橋完成する(写真は坂東橋北詰の碑 碑の裏面に織物関係寄付者の芳名が
 確認できる)





  旧佐波郡名和村は現在の町名では概ね 韮塚町、阿弥大寺町(あみだいじまち)、今井町、
 山王町(さんのうちょう)、堀口町、中町、柴町、戸谷塚町、福島町(ふくじままち)、
 八斗島町(やったじままち)を言う

  明治22年(1889) 町村制施行により、周辺10村が合併し那波郡名和村が成立
  明治29年(1896) 郡統合(佐位郡と那波郡の統合)により佐波郡に属する
  昭和30年(1955) 豊受村、宮郷村とともに伊勢崎市へ編入される。


 名和村郷土誌(明治42年 群馬県訓令により作成)より抜粋

   工業としては工場を有するもの一もなく皆毎戸、機台を備え太織の賃織をなすのみ
  農家の副業としては甚だ重要なる業にして、専(もっぱ)ら女子之れに当り一ヶ年の
  賃金多大に上がり、大に生計の補助をなす。

 機業戸数 35 
 賃織戸数  391
 職工数(男)  ー 
  〃 (女)  570
 機台数  570
 産額 (純絹織)  8,500疋
  〃 (絹綿交織)  12,500疋
 価格  14,700円




 名和地区に現存する「伊勢崎銘仙 工場」




 本竜織物(機業)
 伊勢崎市福島町

 唯一機屋で現存するノコギリ型三角屋根









 有限会社吉沢整理(織物整理業)
 伊勢崎市中町

 現在は工場をボルダリングのジムとして
 活用







 丸山工芸(丸山織物 機業)
 伊勢崎市中町
 代表の故 丸山恵太郎氏は昭和58年に
 家具調の高級織機を開発し家具店で販売
 中町では定期的に織物教室を開催していた
 平成14年に
   本藍染正絹蚊絣(板〆)
 が群馬県の「1社1技術」に選定された


 



 参考・引用文献

  明治43年(1910) 名和村郷土誌
  昭和54年(1979) 名和小百年        名和小百年誌編集委員会編
  昭和57年(1982) 八斗島町の民俗      伊勢崎市発行
  平成12年(2000) 伊勢崎織物の歴史     監物聖善著
  平成19年(2007) 群馬県農業史上      宮崎俊弥著 みやま文庫
  平成21年(2009) 群馬県農業史下      宮崎俊弥著 みやま文庫





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