伊勢崎銘仙アーカイブス


TOP  topページへもどる
平田達男  併用絣については平達織物 平田達男氏のページを参考に
佐波郡豊受村 併用絣 発祥の地 旧佐波郡豊受村を参考に
PROJECT  21世紀銘仙 いせさき併用絣を紡ぐプロジェクト
 

 技法シリーズ③  併用絣(へいようがすり)
 

             伊勢崎銘仙 経糸・緯糸 相関マトリックス
 緯糸\経糸 無   地  括 り 絣  板 締 絣  型紙捺染
 無   地    締 切 絣  締 切 絣  解 模 様
 括 り 絣  緯 総 絣  括 り 絣    併 用 絣
 板 締 絣  緯 総 絣    板 締 絣  併 用 絣
 型紙捺染  緯 総 絣      併 用 絣

 併用絣(へいようがすり)

  併用絣とは





経糸、緯糸共に型紙捺染し
柄を合わせ手織りする

伊勢崎産地で育んだ究極の
絣紋様を醸し出し
友禅の様に華麗な柄までも

大量生産が図られリーズナ
ブルで日本中の女性を虜に
した





  昭和27年(1952)作成 併用絣を着るポスターモデルは津島恵子


  併用絣 名称の由来


  珍絣の括り絣や板締絣の名称は染色技法を表しているので分かりやすいが併用絣は分かり
  にくい 併用を辞書で引くと「他と共に用いること いっしょに使うこと」と書いてある
  併用絣は・・・二つの技法を用いて絣を作る ことを意味する

  では二つの技法とは何を言うのか
  当初は解模様絣の技法で経糸を型紙捺染し、緯糸には括り絣の技法(括り、摺込捺染)
  を用いた
  解模様絣括り絣の二つの技法を指し、併用模様絣がフルネームであり、略して併用絣
  となった
  その後、緯糸も型紙捺染が可能となり、緯糸の括り絣は複雑なために姿を消して行った

  豊受村のレジェンド(伝説)鈴木マチ

  佐波郡豊受村(さわぐん とようけむら)は昭和30年に伊勢崎市に合併した。
  伊勢崎銘仙は地域(群馬県 伊勢崎市、佐波郡境町、新田郡尾島町及び新田町、埼玉県
  本庄市
)毎に絣技法に特徴を持っている
  ここ豊受村では伝説の「鈴木マチ」が江戸時代・弘化4年(1846)に絵を織物に織る
  ことに成功した
  鈴木マチの指導を受けた「養女のトメ」が明治3年(?)名古屋で開催された博覧会
  に大絣を出品し「之を織物にあらず、染物なり」と審査員に言われたとある
  (明治3年の名古屋博覧会とあるが、裏付けがとれない)
  トメの夫 「高木啓次」(豊受村の機屋)の研究により明治15年頃「大絣」が完成し、
  化学染料と絹紡糸の使用で明治28年頃には「大絣の黄金時代」を迎えた
  *大絣とは反物の幅(37cm)に4山以下の大柄の絣

  大絣から併用絣へ

  大正7年(1918)に大絣が発達して併用絣に至るが併用絣製造の発案者には二説ある
   1、平藤(ひらとう)合名会社説  群馬県議員をした平田吾郎の先代である
   2、小此木平八郎 説 合資会社小此木兄弟商会の先代である
  同じ豊受村大字除ヶ(よげ)でお互いに切磋琢磨したものと思われる

  小此木平八郎説であるが弟の六郎がこの技法に成功し「応用絣」と名づけ平藤
  に教えたとある 平藤では「併用絣」と名付けこの方が一般的に用いられたとある
          (伊勢崎史話第2巻第4号 伊勢崎銘仙随想 小花波平八より)



  型紙捺染のルーツは


 和 暦  西暦  出 来 事
 明治12年  1879  京都の広瀬治助(ひろせ じすけ)化学染料と型紙捺染で
型友禅を完成させる *京都友禅協同組合のHPより
 明治41年  1908  秩父郡横瀬村の坂本宗太郎が東京高等工業学校在学中に模様銘仙の特許
を取得
 叔父の名義で1908年の14632号か?
 明治42年  1909  伊勢崎産地では 下城弥一郎(三代目 初代の四男 勝磨 かつまろ)と
従業員の白石海(しらいし かい)が模様銘仙に成功したとある
 大正 7年  1918  伊勢崎産地で併用絣に成功





      併用絣のプロセスチャート






























型紙彫(たかがみほり)

機屋は図案をもとに型紙彫と製織可能な柄、
色の修整を打ち合わせする
採算性と技術面から辺数(へんすう)を打ち合わ
せる(通常5~20色)
辺数:一色ごとに一枚の型紙を使用する








経糸(たていと)は数百本のボビンに巻き上げ
ボビン立てに用意し
動力整経機で所定の長さ、幅、反数に整経する












併用絣は中央に赤色等の芯糸(しんいと)を
二本経込み、捺染加工の柄合せ(位置合せ)の
目安とする










経糸は整経後に仮織(かりおり)する

経糸に緯糸(よこいと)で松葉状に粗く仮織し
緯糸の配列、幅を整える








捺染加工(なっせんかこう)仮織した経糸を
四尺の経板台に張り芯糸に合わせて型紙を置く
捺染糊でゴムヘラを用い捺染加工を施す

捺染が終わった経糸は巻取台で太鼓に巻かれ
蒸箱(むしばこ)に入れ蒸熱(じょうねつ)し
染料の浸透、発色、固着させる







緯糸(よこいと)は板巻機(いたまきき)で
長さ二尺、幅一尺の杉製の緯板(よこいた)に
巻き付ける

緯板は表裏両面に型紙捺染を施す
経糸と同じく蒸熱する





 繰返し(くりかえし) パサ返し(ぱさげえし 方言)
  緯糸の蒸熱が終わったら揚返機(あげかえしき)で綛(かせ)の状態に揚げ返す
  その時作業中くるくる回る新聞紙の音がぱさぱさと聞こえることからパサ返しと言う






 伊勢崎銘仙 併用絣コレクション

  2016 10月15日(土)~12月25日(日)
  銘仙COLOR パレット ❝ 秋 ❞  いせさき明治館



   
   
   
   
   






 括り絣  技法シリーズ① 括り絣(くくりがすり)
 板締絣  技法シリーズ② 板締絣(いたじめがすり)
 併用絣  技法シリーズ③ 併用絣(へいようがすり)
 緯総絣  技法シリーズ④ 緯総絣(よこそうがすり))
 解模様  技法シリーズ⑤ 解模様(ほぐしもよう)
 締切絣  技法シリーズ⑥ 締切絣(しめきりがすり)
 銘仙用語  伊勢崎銘仙用語辞書