伊勢崎銘仙アーカイブス



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 初冬の青梅へ、青梅銘仙の足跡を求めて 令和3年(2021)12月

 銘仙産地比較 青梅銘仙

  東京都青梅(おうめ)市 東京都西部の市、機業が盛んであった。
  青梅縞(島)  おうめ
    経糸(たていと)に絹、緯糸(よこいと)に木綿を使用する
    絹綿交織(けんめんまぜおり)。
    江戸時代後期からは経緯(たてぬき)とも木綿を使用。
  青梅夜具地(やぐじ)の特徴 小幅(こはば)夜具地 解模様(ほぐしもよう)夜具地




 青梅夜具地

 青梅織物工業協同組合で昭和30年(1955)頃
 に制作したポスター

 大女優 香川京子さんをモデルに起用













  青梅市近郊には「のこぎり屋根」が
 60棟近く現存している。
  有効活用がされている、その一つ
   「noco BAKERY & CAFE 」
  青梅市柚木町 TEL 0428-27-5456

  昭和30年(1955)頃から夜具地
  を織っていた




 青梅銘仙を統計資料より分析

  全国銘仙(11産地)生産統計では、全生産高の僅か1.3%、
  また、青梅織物に占める銘仙の割合はピークの年(昭和9年)でも僅か3.5%でした。
  このことから、青梅織物産地では古くは青梅縞(おうめじま)、明治30年代からは
  夜具地の産地だった。
 

 全国銘仙(11産地)生産統計(全国銘仙連盟会調査)
 青梅織物の年次別生産実績(関東機業地域の構造変化 付表)

                         単位:千疋 疋=2反 

西 暦   和 暦 銘仙合計 青梅銘仙 青梅織物 構成比
1912 大正  1  1,454   2,122 ー 
1913  1,574  1,799 ー 
1914  1,348  1,840 ー 
1915  1,719  1,540 ー 
1916  1,933  1,755 ー 
1917  1,915  1,530 ー 
1918  2,334  1,488 ー 
1919  2,959  1,953 ー 
1920  2,739  33  1,775 1.9 
1921  10  4,758  38  2,584 1.5 
1922  11  4,501  46  2,570 1.8 
1923  12  4,685  52  2,427 2.1 
1924  13  4,325  53  2,261 2.3 
1925  14  3,897  59  2,504 2.4 
1926  昭和 1  4,075  73  3,258 2.2 
1927  4,662  87  3,851 2.3 
1928  5,533  89  3,669 2.4 
1929  5,396  78  3,716 2.1 
1930  6,522  92  3,801 2.4 
1931  6,379  96  4,281 2.2 
1932  6,338  104  4,426 2.3 
1933  5,700  107  3,901 2.7 
1934  5,646  147  4,163 3.5 
1935  10  4,521  77  4,580 1.9 
1936  11  2,190  60  4,931 1.2 
1937  12  882  4,717 0.2 
  合 計  97,983  1,310  ー  ー 
構 成  比率%  100.0  1.3  ー  ー 



 織 区




 青梅織物のセンター
 青梅織物工業協同組合
 青梅市西分町3-123
 (にしわけちょう)

 平成28年(2016)に
 組合の建物群が
 国の登録有形文化財に登録

















   
 組合本館  旧都立繊維試験場
 
 旧織物加工工場  旧発券倉庫



 組合本館
 旧都立繊維試験場 → 映画館「CINEMANEKO シネマネコ」令和3年(2021)6月開業
 旧織物加工工場  → 貸出工房「さくらファクトリー」 木造4連「のこぎり屋根」
 旧発券倉庫    → Dining & Gallery 繭蔵 



 参考文献

 村山織物史 村山織物協同組合 1982(昭和57年)3月

 企画展「青梅の織物今昔」青梅縞資料集 青梅市郷土博物館 1984(昭和59年)2月

 地域経済と地場産業 青梅機業の発展構造分析 関満博 1984(昭和59年)5月 新評論

 関東機業地域の構造変化 辻本芳郎他 1989(昭和64年)10月 大明堂

 明治時代の青梅 近代化と人々の生活 青梅市郷土博物館 2018(平成30年)6月

 企画展「青梅の織物~糸が紡ぐ今と昔~」青梅市郷土博物館 2019(令和元年)10月




  青梅織物産地に「銘仙の足跡を求めて」
 西暦  和暦  ことがら
 1840  天保11  桐生産地の人が武州元加治に来て高機を伝え、居座機は
使用されなくなった
 1896  明治29  銘仙機屋 大野太吉(調布村)創業
 1900  明治33  第1回西多摩共進会に大野銘仙出品
大野銘仙(調布村 大野太吉)
 1907  明治40  銘仙機屋 伊藤兼吉(調布村)創業
 1919  大正8  「工場通覧」によると
大野太吉 男工数 3人 女工数23人
伊藤兼吉 男工数 2人 女工数19人
 1920  大正9  銘仙を33千疋生産
 1924  大正13  伊藤兼吉 従業員 18人
 1930  昭和5  全国銘仙連盟会 加盟
     
     昭和20年中頃~昭和30年前後にかけて
秩父産地より「解模様(ほぐしもよう)」技法を移転し
夜具地を生産
     
 1975  昭和50  村山大島紬が伝統的工芸品に指定される
製造される地域に青梅市が含まれる
 1981  昭和56  村山織物協同組合の組合員に青梅市より、3企業が加入
織物製造業2社、経巻業1社



 実訪日 2021年12月9日