伊勢崎銘仙アーカイブス


 TOPページ  全国銘仙生産統計  伊勢崎銘仙
 秩父銘仙  足利銘仙  八王子銘仙
 桐生銘仙  館林銘仙  飯能銘仙
 青梅銘仙  村山銘仙  佐野銘仙
 所沢飛白  十日町銘仙  本 庄 絣




  銘仙産地比較 所沢飛白
(ところざわかすり)


    飾界の華           
    とても着て見たい
      縮、上布、銘仙、紬


     埼玉県所沢町
      湖 月 会
 所沢飛白 木綿の紺絣 明治から昭和初期
に織られた 写真は「繭に飛行機」
 平岡徳次郎を中心に学歴等で湖月会
を組織、エリート集団で産地を牽引



  所沢市へは、伊勢崎から関越自動車道で東京へ行く際に良く通過する市である。
 また、日帰りバス旅行での帰りに「所沢航空記念公園」に寄ったことがある。
 目的を持って所沢市へ訪れたのは2回である。
  西武球場で開催された「国際バラとガーデニングショウ」でその時に購入した 赤いバラ
 が今も我が家に咲いている。
  もう一度は、所沢の呉服展で開催した展示販売会に伊勢崎銘仙を出品した際にである。

  所沢絣は紺地に白の幾何学模様から「飛白」が明治時代から使用されている。
  所沢飛白、所沢織物・・等の 地域ブランドは、所沢の地域名を冠しているが、ここでの
 所沢は広域で入間地方 入間郡(旧)等と捉え、中心は入間市とその周辺であった。


 所沢織物誌(昭和三年)の広告より分析
   当時の組合役員が中心に広告を掲載したと思われる
   その中ので銘仙を宣伝した機屋が9件あった。

   銘仙名  機屋  所在地
 1  銘仙  平岡兼吉  元加治村仏子
 2  模様銘仙  中里弥三郎  飯能町
 3  銘仙  平仙織物工場  元加治村仏子
 4  武蔵野銘仙
九重銘仙
 細政織物工場  豊岡町
 5  マルフ銘仙  布田織物工場  入間川町
 6  金波銘仙  内田織物工場  入間川町
 7  日の出本銘仙  尾関織布工場  飯能町
 8  銘仙  斉竹織物工場  豊岡町
 9  武蔵野銘仙  野田織物工場  水富村

   また、買継商が5社掲載されているが、何れも所在地は所沢町である。
   所沢町は「所沢織物」の都心部への流通の拠点であった。


 所沢産地 昭和9年に全国銘仙連盟会に加入
  全国銘仙連盟会の資料には
    銘仙産地の生産統計(単位:疋 疋=2反 全国銘仙連盟会調査)
     (注)昭和12年の数値は上半期の生産数量(疋)

西 暦   和 暦 所 沢  合 計
 1934 昭和 9 88,794 5,646,979
 1935  10 47,718 4,521,096
 1936  11 30,483 2,190,067
 1937  12 4,668 882,624
   合計 171,663 97,987,614
構成比   % 0.2 100.0


  綿織物産地である「所沢織物」は、銘仙は後発である。銘仙連盟に昭和9年に加入して
 いる。建築写真家 吉田敬子氏の「のこぎり屋根紀行」において、入間市の鋸屋根工場を訪
 れた際に 大正8年の伊勢崎銘仙柄見本を見せて頂いたとあった。


 所沢織物年譜

 西暦  和暦  ことがら  
 1903  明治36年  武蔵機業改良組合が武蔵飛白同業組合に
改組
 別集11 P38
 1917  大正6年  平岡徳次郎商店を中心に「湖月会」を結成  別集11 P69
 1919  大正8年  所沢織物生産高 最高価格
        8,813,730円
(参考) 伊勢崎織物
       29,727,360円
 別集6 P124
 1922  大正11年  所沢織物同業組合事務所完成  
 1930  昭和5年  所沢(武蔵より改名)飛白同業組合解散し
所沢織物同業組合に吸収合併
 別集11 P73
 1934  昭和9年  所沢産地 全国銘仙連盟会に加入
       生産高 88,794疋
 
 1967  昭和42年  所沢綿スフ織物構造改善工業組合を組織化
し構造改善事業に着手(昭和48年まで)
 別集11 P140
 1971  昭和46年  事務所 入間市仏子へ移転  
 1975  昭和50年  広幅織物 生産量 20,829,224㎡
をピークに減少
 関東機業地域の
構造変化 p263
 1986  昭和61年  綿織物
シーツ    3,646,952㎡
タオル    3,236,328㎡
変り織り服地 2,392,048㎡
 関東機業地域の
構造変化 p152



 産地探訪

  
 所沢市 山口民俗資料館  所沢市山口1529-10
    山口民俗資料館で、所沢飛白のキーパー
 ソン 宮本八重子氏との予想外の出会い。
 宮本氏から所沢織物のお話を伺いました。

  *写真は所沢飛白を高機で製織する
   宮本八重子氏
   
 入間市仏子地域  AMIGO(アミーゴ)
   
   
 
 入間市文化創造アトリエ 愛称 アミーゴ
 
 大正5年(1916)仏子模範工場
 昭和12年(1937)県繊維工業試験場
 平成10年(1998)試験場閉鎖
 平成12年(2000)アミーゴ開館
 


昭和46年(1971)
アミーゴの隣に
組合事務所移転




 実訪日  2022年5月21日
 参考文献

   所沢市史調査資料 別集6 織物沿革誌 所沢織物誌 所沢町誌
       所沢市史編さん室 昭和59年3月

   所沢市史研究 第11号
       縞木綿生産者の存在形態 高機以前の所沢絣
       所沢市史編さん室 昭和62年3月

   関東機業地域の構造変化 辻本芳郎他編者 大明堂 昭和64年10月

   所沢市史調査資料 別集11 所沢織物産地の形成と発展
       所沢市史編さん室 平成元年3月

   所沢市史研究 第17号
       明治二十年代における所沢飛白の製品改良と坪買い
       和装時代のよそゆき
       所沢市史編さん室 平成6年3月

   入間市文化創造アトリエ 織物の歴史と源流
       発行 NPO法人入間文化創造ネットワーク  令和3年2月 200円

   所沢市 山口民俗資料 配布のリーフレット・パンフレット
       所沢市山口1529-10
       電話 04-2922-2004

   入間市文化創造アトリエアミーゴ 配布のリーフレット・パンフレット
       入間市仏子766-1
       電話 04-2931-3500